リアルサウンドさんのヒグチアイへのインタビュー記事「ヒグチアイ“独り言”三部作「エイジング」インタビュー:変化する価値観に戸惑いながらも見つけた私なりの答え」がとても興味深かったので、備忘録の意味も込めて要点をササっとまとめておきます。詳細は以下のリンクからどうぞ(*^ー゚)b!!
シンガーソングライター・ヒグチアイが今夏、3ヶ月連続リリースする“独り言”三部作。その第一弾『エイジング』(7/9デジタルリリース)は、自身の内面に静かに向き合いながらも、時代の変化に戸惑う一人の大人の「独り言」を拾い上げた作品です。

「三部作」に込めた覚悟
ヒグチアイは以前からタイアップ中心の楽曲制作が続いていたため、「自分のために書く」楽曲を後回しにしていたと告白。そこで、あえて三部作という形式にすることで、自分に「必ず3曲書く」と強制する締め切りを課したといいます。「独り言」という言葉には、「これは自分自身に向けた声」という距離感を与え、軽妙なスタンスでの発信を可能にしました。
独白に込めた「今」の価値観とのズレ
歌詞には〈パワハラしてるやつを庇いたい〉〈働かないやつを殴りたい〉など、痛烈で攻めた言葉が登場。彼女は世代間で「頑張ること」の価値観が食い違う現状に違和感を感じ、その葛藤を率直に吐露しています。
身近な20代女性から聞いた「将来に夢がないけれど、今のまま生きられればいい」という言葉が衝撃となり、「自分はもう少数派になっているのか」と不安に駆られたと語ります。


「理解」と「納得」の狭間で問うもの
〈理解しても納得はできない〉〈頷いても承諾してはない〉というフレーズには、人々がSNSでトラブルにすぐ「謝罪」と認識される現代に対する違和感が込められています。ヒグチアイは「創作物には自由が必要」と主張し、「誰かを救いたい」ではなく「知ろうとしたい」という思いから、表現の基盤である“自由”を重視して制作したと語りました。
サウンドと MV にも反映されたメッセージ性
楽曲はピアノ主体で、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』メンバーでもある三井律郎が編曲。ロックバンドを思わせるエッジの効いたサウンドが心情の鋭さを際立たせています。MVではVHSテープの山や画面を叩き割る演出を通じ、“アナログとデジタル&価値観の衝突”を象徴的に描き、テーマの「経年変化=エイジング」に深みを与えています。
『エイジング』は、ヒグチアイが「自分自身と社会の距離感」を見つめ直し、言葉にすることで自らの「今」を肯定しようとする挑戦的な独白です。彼女が問いかけるのは、“変わる価値観の中でどう生きるか”。今後の二部作も、その続きとして心に寄り添ってくれることでしょう。
ヒグチアイとは?──言葉と声で描く“日常のドラマ”

出生・背景
- 1989年11月28日生まれ、香川県出身、長野市育ち。幼少期からピアノ、ヴァイオリン、ドラムなど多様な音楽に親しむ。
- 18歳で鍵盤弾き語りを開始。インディーズで積極的にライブを重ね、2014年に1stアルバム『三十万人』で本格デビュー。2016年にメジャーデビュー作『百六十度』を発表し、FUJI ROCKなど大型フェスに出演。
音楽性と活動の特徴
- 深みのあるアルトボイスとピアノによる、歌うような表現力が特徴。日常の細やかな感情をドラマチックに紡ぐ歌詞が評価される。
- 代表作に、TVアニメ『進撃の巨人』ファイナルシーズンのエンディングテーマ「悪魔の子」や、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の作詞提供など、多方面で活躍。
2025年以降の展開
- 『エイジング』に続く“独り言”三部作は、8月・9月にもリリース予定。
- Billboard Liveツアーや秋からの全国&海外ツアーも控え、アクティブなライブ活動が展開中。