俳優・小栗旬さんは、40代を迎えた現在、自らのキャリアと人生に真摯に向き合っています。2023年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源頼朝を演じたことを転機に、さらなる表現の幅を求めて俳優業に取り組む一方、芸能事務所「トライストーン・エンタテイメント」の社長にも就任し、後進の育成にも力を注いでいます。
近年では、社会的テーマを扱う映画『フロントライン』で、実在の医師をモデルにしたDMAT指揮官を演じ、責任と現実に直面する男の姿を丁寧に表現。「誰かのためにできることを考えられる人間でありたい」と語る姿勢からは、若手時代の情熱に加え、大人としての品格と信念がにじみ出ています。
小栗さんの人柄は、情熱的でありながらも誠実で謙虚。現場ではスタッフや共演者に対する気配りも忘れず、言葉より行動で信頼を勝ち取るタイプです。自らを「常に挑戦者でありたい」と語る姿は、第一線で長く活躍し続ける理由を物語っています。
経歴
小栗旬さんは1982年12月26日、東京都小平市に生まれました。
父は舞台演出家の小栗哲家氏。演劇一家に育ち、幼少期から芸能界に関心を持っていました。1998年、ドラマ『GTO』でデビューし、2005年の『花より男子』で一躍ブレイク。以降、映画・舞台・テレビドラマに幅広く出演し、着実にキャリアを重ねました。
学歴
小栗旬さんは東京都小平市出身。高校は日本芸術高等学園(中退)に通っていました。中学生の頃から芸能活動を始めたため、学業と両立するよりも早く現場に飛び込む道を選択したようです。俳優業に専念するため、高校を中退後も演技レッスンや舞台を中心に経験を積み、実践の中で演技力を磨いていきました。学歴という枠にとらわれない、まさに「現場で育った俳優」の典型例であり、それがリアリティある演技につながっています。

恋愛
小栗旬さんは2012年にモデル・女優の山田優さんと結婚。二人は2008年のドラマ『貧乏男子 ボンビーメン』で共演し、交際に発展しました。結婚後もおしどり夫婦として知られ、現在は2児の父でもあります。結婚当初は浮気疑惑などが報じられたこともありましたが、現在は育児や家族の時間を大切にし、公私ともに安定した生活を送っている様子。山田優さんのInstagramなどにも、家庭での様子が時折登場し、微笑ましい姿が話題になります。
有名人との交友関係
小栗旬さんは業界内でも人望が厚く、俳優の山田孝之さん、生田斗真さん、松本潤さん(嵐)などと深い交流があります。特に松本潤さんとはプライベートでも親交があり、互いの結婚式にも出席するほどの関係です。また、芸人の藤森慎吾さんや綾野剛さんとも交友があり、時に飲み仲間としてのエピソードがバラエティ番組で語られることもあります。後輩俳優の面倒見も良く、仕事や私生活の相談に乗る兄貴分的な存在として慕われています。

今後の予定
2025年は、映画『フロントライン』(6月公開)を皮切りに、社会派作品への出演が続く予定。また、俳優活動と並行して、所属事務所トライストーンの代表として若手の発掘や制作プロジェクトにも取り組んでいます。2026年に向けては、自ら監督を務める長編映画の構想もあると報じられており、俳優以外の創作活動も視野に入れている模様。舞台出演の可能性や、海外作品への出演も一部で噂されており、今後の活躍に期待が高まっています。
人物像
小栗さんは努力家で研究熱心なタイプ。共演者やスタッフからは「現場を引っ張るリーダー的存在」と評価されています。また、芸能界での成功にとどまらず、映画監督、声優、舞台演出にも挑戦。2023年には自らが所属する「トライストーン」の社長に就任し、経営者としての顔も持ち始めました。若い世代に向けて「チャンスは自分で掴め」と語るなど、後進の育成にも熱意を見せています。

受賞歴
年代 | 賞 | 部門・作品名 | 内容 |
---|---|---|---|
2007年 | MTV STUDENT VOICE AWARDS | 最優秀俳優賞 | 学生投票で高評価 |
TV LIFE年間ドラマ大賞 | 助演男優賞 (‘花ざかりの君たちへ’) | 人気作品を支えた演技で受賞 | |
月刊TV‑navi ドラマ・オブ・ザ・イヤー | 最優秀助演男優賞 | 評論家からも称賛 | |
2008年 | エランドール賞 | 新人賞 | 将来性を高く評価され選出 |
ゴールデンアロー賞 | 放送賞ドラマ部門 | TV出演が高評価 | |
日本映画批評家大賞 | 主演男優賞 (‘クローズZERO’) | 圧巻の演技が評価 | |
ニコロデオン キッズチョイス・アワード | 男優賞 | キッズ投票で人気衆目 | |
橋田賞 | 新人賞 | 劇作家協会主催、大きな期待 | |
DVDでーた大賞 | ベストタレント賞 | DVD市場での評価を反映 | |
2009年 | 日本ドラマ学院賞(第63回) | 主演男優賞 (‘TOKYO DOGS’) | 演技力が専門家らに支持 |
2009年 | ザテレビドラマアカデミー賞(第74回) | 主演男優賞 (‘リッチマン、プアウーマン’) | ラブコメで主演の重責を見事に演じ切る |
2013年 | WOWOW 演劇大賞 | 男優賞 (‘あかいくらやみ〜天狗党幻譚〜’) | 舞台演技を高く評価 |
2014年 | GQ Men of the Year | – | ジェントルマンとしての素顔も評価 |
日本ドラマ学院賞(第81回) | 主演男優賞 (‘BORDER’) | サスペンスでの深い演技力が光る | |
2017年 | コンフィデンスアワード・ドラマ賞 | 主演男優賞 (‘CRISIS 公安…’) | クライム・アクションで主演を務め高評価 |
2019年 | きものベストドレッサー賞 | 男性タレント部門 | 伝統文化にも造詣が深いとして受賞 |
2020年 | 報知映画賞 | 主演男優賞 (‘罪の声’) | 重厚なドラマで主演として称賛 |
日刊スポーツ映画大賞 石原裕次郎賞 | 主演男優賞 (‘罪の声’) | 更なる演技の緻密さを評価 | |
日本アカデミー賞 | 優秀主演男優賞/話題賞俳優部門 (‘罪の声’) | 邦画最高峰の一つで栄誉 | |
2023年 | 東京ドラマアウォード | 主演男優賞 (‘鎌倉殿の13人’) | 大河主演でその実力を再確認 |
2023年 | 日本ドラマ学院賞(第114回) | 主演男優賞 (‘鎌倉殿の13人’) | 視聴者・記者・審査三部門で受賞 |
主な出演作品
《テレビドラマ》
・『GTO』(1998)
・『ごくせん 第1期』(2002)
・『花より男子』(2005〜)
・『リッチマン、プアウーマン』(2012)
・『信長協奏曲』(2014)
・『鎌倉殿の13人』(2022)
《映画》
・『クローズZERO』シリーズ(2007〜)
・『銀魂』シリーズ(2017〜)
・『人間失格 太宰治と3人の女たち』(2019)
・『ゴジラvsコング』(2021・ハリウッド作品)
・『フロントライン』(2025)

書籍
写真集シリーズ(全5冊)
タイトル | 出版社・発売日 | 特徴・内容 |
---|---|---|
so | 主婦と生活社・2003年10月27日 | デビュー直後の小栗旬が本格的に写真集デビュー。等身大の姿を捉えた初期作品 |
小栗ノート | ロッキング・オン・2006年12月26日 | 蜷川幸雄演出の英国公演3週間を凝縮。愛犬との私生活や手書き日記、撮影された15000字インタビューを収録 |
high | 主婦と生活社・2007年10月1日 | タイトル通り“高まる感情”をテーマに、ニューアングルの撮り下ろし写真満載 |
SHUN×GENJI | 秋田書店・2007年11月5日 | タイトルには“旬”と“源氏”の掛け合わせ、「青春の日々」を詰め込んだ1冊 |
NHK2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』THE MAKING | TVガイドMOOK・2023年4月3日 | 大河ドラマ裏側の撮影・ロケ風景、スタッフ・共演者との交流など記録 |
内容面では、“so”は俳優としての初々しさ、”小栗ノート”は仕事とプライベートを赤裸々に記録、”high”と”SHUN×GENJI”では表現の幅を写真で模索。”THE MAKING”は近年の代表作を裏側から伝えるファン向けの一冊です。
単行本・ムック・連載など
タイトル | 出版日・出版社 | 内容 |
---|---|---|
同級生。 | 2005年4月10日/ワニブックス | エッセイ風。俳優としての思索や学生時代の回想、仲間との絆など綴る |
小栗旬 First Stage | 2006年10月5日/キネマ旬報社 | 新人期を中心としたインタビュー集。仕事観や初主演作での葛藤などがテーマ |
旬刊小栗 | 2010年8月3日/ワニブックス | 自身が編集責任者を務めるムック本。プライベート発信や対談、制作裏話を収録 |
小栗旬 Next Stage | 2013年6月29日/キネマ旬報社 | 中堅俳優としての転機を書いた、自身の成長記録 |
単行本は若手時代の思い出、過程と成長、自己分析のドキュメントとして読みごたえがあります。
連載・記事寄稿
- 月刊Zipper – 「I love movie, You love movie?」
- Telepal f – 「旬感フォトグラフ」
- 男優倶楽部(現アクチュール) – 「小栗旬報」