Vogue Japanさんの記事「吉岡里帆が明かす、俳優としての指針となった父の言葉【50 SHADES OF ME】」がとても興味深かったので、備忘録の意味も込めて要点をササっとまとめておきます。詳細は以下のリンクからどうぞ(*^ー゚)b!!
女優・吉岡里帆が、8月29日公開の映画『九龍ジェネリックロマンス』で主人公・鯨井令子を演じる中で語ったのは、役者としての揺れる思いと、大切な“原点”の記憶です。原作マンガの世界観、人の記憶、その曖昧さや不確かさをめぐる物語のテーマと重なって、「経験値を積むごとに、演技の“鮮度”が落ちてしまうのではないか」という難しさを抱えていると吉岡さんは打ち明けます。だからこそ、彼女は“初めて小劇場でお芝居を観て心が動いた瞬間”など、自分の原点にあたる“忘れたくない記憶”を大事にし、演じる際にそこに立ち返ることで、役者としての新鮮さを保ちたいと語りました。


彼女にとって本作は挑戦でもあります。役柄・鯨井令子は、“ジェネリック”つまりオリジナルではない存在としての問いを抱えており、自分自身の“絶対の自分”とは何かを模索するキャラクター。吉岡さん自身も、原作ファンの期待に応えるヴィジュアル追求や、演技におけるキャラクター造形で原作とは異なる側面を演じることに心血を注いでいます。
また、撮影は台湾で真夏のロケを含め、現地の雰囲気や美術の細部がとても丁寧に作り込まれていたことが印象的だったとのこと。古びた街並み、湿気や光、生活感のある道具やセット、小道具に至る日常の質感が令子というキャラクターと物語にリアルさを与えてくれたと吉岡さんは振り返っています。現場ではチームの気配り、スタッフの心遣いも演じる側として安心できる環境を整えていたようです。


そして、“忘れたくない記憶”という問いに戻ると、吉岡さんは役者としてだけでなく、一人の人間としても“原点回帰”が重要だと考えています。経験が増えるにつれて見えてしまう慣れやセルフチェック、周囲からの期待とプレッシャー。それらに飲まれず、自分が心を動かされた“最初の瞬間”“感動したもの”“何に心揺れたか”をいつまでも忘れずに持っていたい。そしてそれが、自分の演技の鮮度を保つ鍵でもあると語ります。
このように、吉岡里帆は『九龍ジェネリックロマンス』を通して“恋愛”“記憶”“存在の本質”といった普遍的なテーマに真摯に向き合い、自分自身の俳優としての軌跡、揺らぎ、そして核心を丁寧に再確認する場としてこの作品を受け止めているのです。
『九龍ジェネリックロマンス』について
以下、『九龍ジェネリックロマンス』の概要とポイント:
- 原作は眉月じゅんによる同名漫画。集英社「週刊ヤングジャンプ」で連載中の人気作で、累計発行部数が150万部を超える。
- 映画版は実写化作品で、吉岡里帆が主人公・鯨井令子を演じる。先輩社員・工藤発(水上恒司)に恋をしているものの、令子は自分と瓜二つの女性が写る写真を見つけたり、自分の記憶や存在に疑問を抱えたりするミステリアスな展開が含まれている。
- 舞台は“九龍城砦”をモチーフにした架空の都市「ジェネリック九龍城砦」。過去の記憶、恋愛、存在のアイデンティティといったテーマが混じりあっている。
- ロケは台湾で行われ、暑さや湿度、現地の街並み、生活のディテールまで、美術やセットにこだわりが強い。現地スタッフとの協働や街の空気感が作品に深みを与えている。
吉岡里帆が“忘れたくない記憶”として語るのは、ただ過去を懐かしむだけではなく、これからも役者として“フレッシュであること”“原点を忘れないこと”“心が動いたその感動を表現の力に変えること”への強い意思です。そしてその意思は、『九龍ジェネリックロマンス』という作品そのものにも、物語の芯となる“記憶”“存在”“恋愛”“本質の探求”として表れていると言えるでしょう。


