ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸投手が、まさにノーヒットノーランの快挙を目前にしながら逃した。一時は日本人としてメジャー初、さらにはNPBからMLBへとその名を轟かせた期待の右腕に、世界が注目していた瞬間だった。
2025年9月6日(日本時間7日)、敵地ボルティモアでのオリオールズ戦。山本は8回まで毎回三振を奪うなど圧巻のピッチングで快進撃。9回2死までノーヒットノーランを継続し、誰もが“あと一人”と期待したまさにその時、相手打者ホリデイに内角を捉えられ、右翼スタンドへ飛び込むソロホームランを許し、無念。記録達成直前での失点に苦笑を浮かべながらベンチに戻る山本に、敵地スタンドからは異例のスタンディングオベーションが起きた。降板後も大谷選手らチームメートの声援を受け、拍手に包まれる姿は感動的だった。一方で、毎回三振を奪い、8回2/3を1失点に抑えた力投は、チームの悪い流れを断ち切る見事なパフォーマンスでもあった。
日本人のノーヒットノーランについて
日本人投手によるノーヒットノーラン(ノーノー)は、国内・海外問わず野球史上に深く刻まれている希少な快挙です。
- NPB(日本プロ野球)
通算で100件超のノーヒットノーランが達成されており、その中には山本由伸投手自身が2022年と2023年に実際に達成した記録も含まれます。2023年には2年連続で達成した初の投手として話題に。 - MLB(メジャーリーグ)
日本人投手としてメジャーでノーヒットノーランを達成したのは、野茂英雄投手(1996年ドジャース、2001年レッドソックス)、岩隈久志投手(2015年マリナーズ)の2名。
さらに、日本人による“継投ノーヒットノーラン”としては、2024年に今永昇太投手がシカゴ・カブスで達成した継投ノーノーが初。
これらはどれも投手人生における偉大な節目であり、山本由伸投手の“惜しくも届かなかった一人”も、その価値のある記録として語り継がれることでしょう。


