映画監督・是枝裕和によるオリジナル作品 『箱の中の羊』 が、2026年に全国公開されることが決定しました。主演に 綾瀬はるか と 千鳥・大悟 を迎え、夫婦役でW主演を務めます。これは大悟にとって「映画初主演」となる大きなチャレンジでもあります。
物語の舞台は、少し先の未来。綾瀬が演じる建築士・甲本音々と、その夫・甲本健介役を大悟が演じるこの夫婦は、“息子”としてヒューマノイド（人型ロボット）を自宅に迎え入れることになります。テクノロジーの進化と人間の感情・内面とのぶつかり合いを軸に、家族の形を問い直すドラマとなる見込みです。
企画にあたって是枝監督は、「最新のテクノロジーを用いて“死者を蘇らせる”という発想からこの物語を立ち上げた」と語っています。さらに、技術の進歩と人間の心の間で生じる葛藤や、その賛否をテーマとして問いかける意欲も明らかにしています。
綾瀬は、是枝作品としては『海街diary』以来の出演。綾瀬は撮影開始の様子を「1カット1カット丁寧に撮影していく現場」と振り返り、大悟との夫婦役でのやりとり、物語を紡ぐ手応えに期待を述べています。大悟も「ビビッてます」と主演への意気込みを語っており、初主演ながら重責を担う姿勢が伝わります。
この作品は、配給：ギャガ、配給協力：東宝の体制で展開。是枝監督が原案・監督・脚本・編集を兼務する、まさに彼の創作スタンスを体現する一本として注目を浴びています。
■綾瀬はるかのコメント（全文）
『海街diary』以来久しぶりの是枝監督作品ですが、変わらずとても和やかな空気が漂う現場でした。
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初日は1カット１カット丁寧に撮影していき、その中で、音々（おとね）の気持ちにイメージが膨らみました。
今回一番楽しみにしているのは、大悟さんと夫婦役ができることです。
始めはわだかまりがある二人が、ヒューマノイドの子供を迎え、様々なことが起き、また心が通い合っていくというお芝居を大悟さんとしていく中で、音々自身がどう成長していくのかとてもワクワクしています。
大悟さんはテレビの中と印象そのままで、お会いした際「ごめんな、俺が夫で」と言われ、「えーそんな！」って。
とてもシャイな感じがしましたし、とても素敵な方だと思いました。
「少し先の未来」の物語ですが、夫婦の形や子供のこと、人と人の愛というのはずっと変わらない大事な部分だと感じながら演じています。きっと見終わった後に心が温かくなる作品になると思いますので、是非、楽しみにしていてください。
■大悟のコメント（全文）
クランクインです。ビビってます。
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これだけの人と時間をかけて、今からすごいことが始まるんだなと楽しみは楽しみですが、大丈夫なんかな“ワシ”ってほうが大きいです。
奥さん役の綾瀬さんは本当にあのままというか、非常に明るい楽しい人でとても良かったと思っています。
一番最初にお会いしたときに「ごめんね、ワシがダンナ役で」と言ったら優しい顔で笑ってくださいました。
今日はまだ2人の芝居シーンをしていないので、今のところはただただかわいく、ただただ遠くから見ています。
是枝監督からは、あまり皆さんにしてるかはわかりませんが、
「大悟さん、そんなにきっちりセリフ覚えなくても、僕が現場で耳打ちする感じでそれをそのまま自分なりにやっちゃってください」と言って頂きました。それは監督がこれまで子役に使ってた手法らしくて…。
そう仰っていただいて自由にやっていいんだなって、非常に気持ちが楽になりました、今のところは。
日頃は笑ってもらうお仕事をしていますが、大悟が出た、大悟がしゃべった、大悟が現れたで笑われないように頑張りたいです。あとは、監督にお任せします。どういうのが出るかなって、自分でも楽しみです。
是枝裕和監督の豆知識
- 生年月日・出身：1962年6月6日、東京都練馬区生まれ。
- 学歴と出発点：早稲田大学第一文学部卒業後、テレビ制作会社（ドキュメンタリー制作）に携わった経験がある。
- 監督デビュー：1995年の映画『幻の光』で長編監督デビュー。
- 代表作と受賞歴：
- 『そして父になる』 → カンヌ国際映画祭 審査員賞受賞
- 『万引き家族』 → カンヌ映画祭パルムドール（最高賞）受賞
- 『怪物』（2023年）など近年も話題作を手がけており、国際的な評価も高い。 - 作風的特徴：日常や家族を題材とした“静かなドラマ”を得意とし、登場人物の内面や関係性を丁寧に描く。社会的テーマも含ませながら、観客が感情移入しやすい語り口を用いる。
- 思想・アプローチ：脚本段階ではキャストと会話を重ねてリライトを繰り返すスタイルを取り、役者の生の声や反応を取り入れながら映画を練り上げることを大切にしているとの発言もあります。
