阪神のセットアッパー・石井大智投手(27)が、プロ5年目で初めて「マイナビオールスターゲーム2025」(7月23日京セラドーム、24日横浜)への出場を果たしました。高専出身(秋田高専)としては史上初の球宴出場となります。ファン投票と選手間投票で選ばれた森下・佐藤輝らに続き、監督推薦でも選出。28試合登板、防御率0.31、19ホールドと絶好調の成績です。
しかし、6月6日のオリックス戦で頭部にライナーを受け「脳振とう」離脱。一時は出場も危ぶまれましたが、7月1日の巨人戦で1軍復帰後は無失点継続中です。その復帰登板直後に発したのが「オールスターはホームラン打たれてもいい。ピッチャーライナーだけは打たれないように頑張ります(笑)」という異例の宣言。この冗談交じりの本音は、彼らしい楽天性と強い覚悟を感じさせます。
球宴での対戦を楽しみにしているのは若手有望選手たち。新人の宗山、西武の渡部、2年目の寺地らと真剣勝負したいと語り、球宴を“ガチンコ勝負の場”と捉えています。
監督の評価
阪神・藤川球児監督は石井の復帰登板を高く評価しました。巨人戦前から綿密に復帰プランを策定し、「かなり前からこのジャイアンツ戦に向けてプランを組んでいた」と説明。実戦を想定した調整が成功し、1イニングを任せられる信頼できる存在に成長したとし、「非常に強いピース」「いい活躍だった」と賞賛しました。
また、「ブルペンの形をつくる作業に入りたかった」と語り、球宴前の準備における石井の役割を重く見ています。他のリリーフ陣も成長しており、チーム力向上のカギとして総合的に評価。藤川監督は今後も石井を重要な柱として据える方針です。
阪神にとって、石井の球宴出場はチーム力の象徴。監督・選手ともにその存在感を重視し、シーズン後半戦の勢いを支える重要な役割を期待しています。