Billboard JAPANさんのインタビュー記事『<インタビュー>米津玄師 「夜鷹」で見つめた、フィクションという聖域――創作の原風景にある“愛すべき故郷”』がとても興味深かったので、備忘録の意味も込めて要点をササっとまとめておきます。詳細は以下のリンクからどうぞ(*^ー゚)b!!
米津玄師の楽曲「夜鷹」は、彼が「フィクションという聖域」を通じて人間の本質を描き出した傑作です。映画『キングダム 魂の決戦』の主題歌として書き下ろされた本作は、単なるタイアップ曲の枠を超えています。アーティスト・米津玄師が幼少期から抱く創作の原風景や、現実を生き抜くための物語の力を、かつてない純度で音楽へと昇華させた重要な到達点と言えます。

その理由は、本作が映画の混沌とした戦場だけでなく、宮沢賢治の童話『よだかの星』という文学的背景や自身のルーツに深く根ざしているからです。米津はインタビューで、敵味方が傷つけ合う戦乱の世界観と、自身の創作における「愛すべき故郷」としてのフィクションを重ね合わせています。現実の痛みを引き受けながら物語の力で突破しようとする意思が、曲の核を成しています。
具体的な表現として、本作では近年のマイブームである「がなる」ボーカルスタイルが導入され、ディストーションをかけた歌声で感情の味変が試みられています。戦場の混沌を体現するような泥臭くもエモーショナルな声は圧巻です。また、前作「烏」を「陽」とするなら本作は「陰」であり、これらが精神的な双子として対比的に作られたという事実も、楽曲の深みを物語っています。
結論として、「夜鷹」は米津玄師の音楽的聖域をリスナーへ開示し、共鳴させるための記念碑的作品です。不器用ながら邁進する主人公・信の姿と自身のルーツをシンクロさせたこの曲は、聴く者の孤独な魂を救済する力を持っています。彼がフィクションという救いの場で紡ぎ出した強烈な叫びは、時代を超えて多くの人々の心に深く刻まれ続けることでしょう。
夜鷹 の豆知識5選
- 映画『キングダム 魂の決戦』のために書き下ろされた:本作は実写映画『キングダム 魂の決戦』の主題歌として制作されました。佐藤信介監督は「戦う者が抱える同じ傷や痛みが音に込められている」と、怨讐の連鎖を描く本作にふさわしい楽曲であると大絶賛しています。
- 宮沢賢治の『よだかの星』からの着想:曲名は宮沢賢治の有名な童話『よだかの星』から着想を得て名付けられました。醜い外見を理由に他者から嫌われながらも、夜空の星へと転生していくよだかの孤独と強い精神性が、楽曲のテーマに通底しています。
- アルバム収録曲「Nighthawks」との重複:米津玄師は2017年のアルバム『BOOTLEG』に「Nighthawks」という楽曲を収録していますが、今回の「夜鷹」も英語にすると同じ意味になります。米津自身、作曲した後にこの重複に気づいたと明かしています。
- 前作「烏」との「精神的な双子」関係:前作の配信シングル「烏」と本作「夜鷹」は、どちらも鳥にまつわるタイトルです。米津はこれらを「陽」と「陰」の対比として位置づけており、精神的な双子のような関係性であると語っています。
- マイブームの「がなり声」と味変:近年の米津玄師のボーカル表現で印象的な「がなる」手法が使われています。自身の声に飽きたことから、ディストーションをかけて無理やり「味変」させて楽しむという、遊び心と実験精神から生まれた歌声です。


