9月26日の阪神 vs 中日戦。阪神のリリーフ右腕・石井大智が、19日ぶりに一軍登板を果たし、見事な投球で再び記録を更新しました。4点リードの9回、3人で抑える三者凡退──この登板により、48イニング連続無失点を達成。これは、かつて藤川球児が持っていた阪神の連続無失点記録(47回2/3)を超える、球団新記録となります。
試合中、石井は10球中8球を直球で攻めつつ、150キロ台のストレートを連発。決して派手な変化球に頼ることなく、真っ直ぐ勝負で打者を圧倒しました。指揮官でもある藤川球児氏も、この記録更新を喜び、現役選手が自らの記録を超えていくことを「指導者冥利に尽きる」と語りました。
とはいえ、石井自身はこの記録だけに満足していないようです。彼はこれまで、「抑えられる球を選ぶ」という慎重な投球スタイルを取ってきたと振り返り、自らを「臆病」と称しました。それは、理想的な投球と結果を出す投球とのギャップに対する自覚でもあったようです。
一軍復帰当日という重圧の中で、完璧な投球を成し遂げた石井。その投球を満員の甲子園が見守る中で披露できたことに感慨を語り、「やっぱり満員の甲子園は最高」と喜びも口にしました。新記録とともに、彼の精神面での進化も感じられる登板でした。
阪神・石井大智(いしい だいち)について
基本プロフィール・経歴
- 生年月日:1997年7月29日(2025年時点で28歳)
- 出身地:秋田県
- 身長/体重:175cm/80kg
- 投打:右投右打
- 経歴:秋田工高専 → 四国独立リーグ・高知ファイティングドッグス → 阪神タイガース(2020年ドラフト8位)
- 背番号:69
成績・特徴
- リリーフ投手として、安定感ある成績を重ねてきており、2024年には56試合登板で30ホールドを記録、防御率1.48と高い信頼を獲得しました。
- 2025年も目覚ましい活躍を見せており、連続無失点記録更新の勢いとともに、ブルペンの柱として存在感を放っています。
- 奪三振能力も高く、プロ入団後早い段階から高い三振率を示してきました。
- また、2025年には侍ジャパン(日本代表)としても名を連ねています。
石井大智選手は、“記録を追うだけでなく、投球内容をさらに理想に近づけたい”という強い信念を持った投手。今回の48イニング連続無失点は、ただの数字ではなく、彼自身の成長と野球人としての志を映す結果でもあると言えそうです。今後の投球と記録の更新にも注目です。


