石井大智 プロフィールと経歴
石井大智(いしい だいち、1997年7月29日生まれ・秋田県秋田市出身)は、高専(秋田工業高等専門学校)出身という異色の経歴を持つプロ野球選手です。専攻は環境都市工学で、大学進学ではなく技術者の道を志していたことから、NPBに入るとは誰も予想していませんでした。
学業成績も優秀で、木造住宅の耐震性を研究するなど高専時代から真面目に取り組んでおり、将来は建築士など技術者になる予定だったといいます。それを覆して野球を選んだ背景には、中学時代のチームメイト・成田翔(ロッテ所属)との“同じ舞台で戦いたい”という想いがあったと語っています。
四国アイランドリーグ(高知ファイティングドッグス)
高専卒業後、四国ILの高知にトライアウト参加。2017年の独立リーグドラフトで4巡目指名され入団。2018年は21試合に登板し防御率2.08、2019年は151km/hのストレートを武器に6勝・防御率1.50・122奪三振で最多奪三振タイトルを獲得しました。
2020年には153km/hを記録し、防御率1.69・129奪三振で活躍。NPB10球団から調査書が届くほど注目され、阪神から8巡目で指名を受け入団。高専卒かつ国立高専出身でドラフト指名を受けるのはNPB史上初の快挙でした。
阪神タイガースでの活躍
2021〜2022年
2021年春季キャンプから一軍入りし、開幕戦に登板。しかし成績は苦しく、防御率6.23。以降、一軍と二軍を行き来する一年でした。
2022年は救援として防御率0.75と大幅に改善。ただ、新型コロナ感染による離脱もあり、登板数は前年同様18試合にとどまりました。
2023〜2024年
2023年はプロ入り初勝利を記録し、腰痛に見舞われながらも、1勝1敗・19ホールド・防御率1.35と活躍。クライマックスシリーズ、日本シリーズにも登板し、成果を挙げました。
2024年は自己最多56試合登板、30ホールド、防御率1.48と、安定した成績でブルペンを支えました。
2025年(最新成績)
2025年も救援陣の柱として快進撃を続け、41試合で1勝・5セーブ・29ホールド、防御率0.22と驚異的な数字を残しています。
また、7月上旬に頭部を打球で直撃して一時離脱しましたが、ウエスタン・リーグで復帰登板時に3者連続三球三振という“イマキュレート・イニング”を達成し、復調の兆しを見せました。
歴史的記録達成
2025年8月9日、セ・リーグ記録である38試合連続無失点を達成。これは自身が敬愛する藤川球児監督に並ぶ快挙であり、監督も「誇らしい」と称賛しました。頭部直撃での離脱を乗り越えた努力の結晶です。
人物像と今後への展望
石井投手は、高専で技術者を目指していた過去を持ちます。その異色の経歴と学業への姿勢は、多くの人に勇気を与えるストーリー。挫折や偏見に負けず、自らの信念を貫いてプロの世界で成功を掴んだ姿は、多くのファンにとって共感の源です。
c今後も安定したリリーフとしてさらなる飛躍が期待される彼。記録と信念を重ねて築く姿を、これからも追い続けたいですね。



