将棋日本シリーズ「JTプロ公式戦(JT杯)」の準決勝東海大会で、当初予定されていた 藤井聡太 vs 渡辺明 の対局は、渡辺の長期休場により 藤井の不戦勝 という異例の展開となった。
代替として、会場では 藤井聡太 vs 羽生善治九段 の特別対局が行われ、白熱の戦いの末、藤井が 92手で勝利を収めた。
対局は名古屋・ポートメッセなごやにて、羽生九段が先手で相掛かりを選び、激しい攻め合いから中盤以降は緊迫の応酬に。終盤で藤井が反撃に出て、わずかな隙を突く形で勝機をものにしたという。
藤井は対局後、「非常に激しい戦い」「時間があれば長考したい場面ばかりだった」と振り返り、羽生も「もっと良い手があったかもしれないが、時間の制約で見えなかった」とコメントした。
この不戦勝により、藤井は 11月23日の決勝戦進出 が決定。もう一つの準決勝(永瀬拓矢 vs 佐藤天彦)は11月9日に大阪で実施される。
なお、主催側も「公式戦での不戦敗は過去に例がない」としており、今回の措置は極めて異例の対応だった。n
藤井聡太の豆知識
以下は公開情報やインタビューをもとにまとめた、藤井聡太という棋士の興味深いエピソードや特徴です:
- 最年少プロ入り&連勝記録
2016年10月、14歳2か月で四段昇段しプロ棋士となった。以降、公式戦29連勝を成し遂げ、この数字はプロ入り後の最多連勝記録となった。 - 師匠は杉本昌隆八段
プロ入り後は杉本昌隆八段の門下となり、師弟関係の中で棋風や精神を磨いてきた。 - 幼少期は祖母に将棋を教わる
藤井が5歳のとき、祖母から将棋を教わったというエピソードがあり、これが将棋への最初のきっかけとなったとの記録がある。 - ピアノも習っていた過去
少年期にはピアノを弾いていたことがあり、将棋とは別の音楽的素養も持っていたという話がある。 - 「集中力を意識しない」感覚
藤井自身は、「集中力」は意識して得られるものではなく、将棋と自分が一体となるような感覚の中で自然に訪れるもの、という考えを語っている。 - CM出演とそのテーマ性
不二家の「ONとOFFでできている」というCMで、対局時の藤井とリラックス時の藤井を対比させた演出がなされている。 - 多冠制覇・タイトル記録
2023年には名人戦制覇で七冠を達成し、その後の王座戦で八冠を制し、将棋界初の全タイトル独占(八冠制覇)を成し遂げた。


