カーリング日本女子、「ミラノ・コルティナ五輪最終予選代表決定戦」において、フォルティウスがロコ・ソラーレ(通称 “ロコ”)をタイブレークで7-2と破り、決勝進出を果たしました。これにより、4年前の代表決定戦でロコに屈した悔しさを晴らし、五輪出場の可能性をつなぐ大きな一勝となりました。
対戦形式は、予選リーグを含めた結果をもって先に2勝したチームが五輪代表となる決勝で、相手はSC軽井沢クラブ。フォルティウスとしては、この決勝での勝利が日本代表の座、そしてオリンピック出場枠の獲得につながります。
試合の流れとしては、序盤第1エンドでフォルティウスが強いショットを重ね、ロコの藤沢五月側の最終ショットが予想以上に強くなってしまったことを突き第1エンドで3点を取り優位に立ちます。第4エンドでも2点を追加し、前半を5-1でリード。以後も安定した展開で主導権を握り、そのまま勝利を収めました。
スキップ・吉村紗也香にとっては、これが五輪挑戦5度目、代表決定戦は4度目の出場。この勝利は、彼女とチームにとって重みのある勝利です。吉村は「ロコ・ソラーレさんのおかげで成長させてもらっている」「ロコの分まで頑張りたい」との言葉を残しています。フォルティウスは崖っぷちからの2連勝でタイブレークに持ち込み、勢いに乗っている様子がうかがえます。
決勝では、予選同様にSC軽井沢クラブと最大3試合の対戦が予定されており、ここで2勝先取するチームが日本代表に決まる形です。フォルティウスはこの決戦に強い意志と集中力をもって臨むと宣言しています。
フォルティウスとは

「フォルティウス(FORTIUS)」は、日本の女子カーリングチームで、オリンピック出場を目標に2011年に結成。地元・北海道を拠点とし、国内外で多くの戦績を残してきています。チーム名はラテン語で「より強く」を意味し、「強く前進し続ける」という思いを込めたものです。
主なメンバーにはスキップの吉村紗也香をはじめ、小野寺佳歩、近江谷杏菜らが所属。吉村は北海道常呂町出身で、カーリングを小学校4年から始め、ジュニア時代には国内で数々の優勝・好成績をおさめています。大学卒業後にフォルティウス入りし、チームを率いてきました。
戦績としては、日本選手権での優勝歴が複数回(例:2021年、2025年)、パシフィックアジア選手権での優勝や国際試合でも一定の存在感を放ってきています。チームは以前、北海道銀行の女子カーリング部として活動していましたが、2021年にスポンサー契約が終了し、現在はクラブチーム「フォルティウス」として独立運営されています。
チームのロゴにはストーンの回転と、初期メンバー4人を象った「四葉」のデザインが組み込まれており、北海道の自然(木々・海・雪)をイメージした色使いとなっているなど、地域とのつながりも大切にしています。
五輪代表の切符をかけた戦いは、まだ最終決戦が控えており、フォルティウスの挑戦はここからが正念場。吉村の執念、チームの粘り強さが、悲願達成へどこまで影響するか注目です。


