WBC王者・中谷潤人(27=M・Tジム)が2025年6月8日、東京・有明コロシアムで行われたIBF王者・西田凌佑(28=六島)との無敗対決に勝利し、WBCとIBFの世界バンタム級王座を統一しました。10度目の世界戦にして、WBC防衛4回目をクリアし、国内最多タイ記録の31連勝(デビュー以来無敗)を達成しました。


序盤から攻勢に出た中谷は、1Rから多彩なパンチで主導権を握り、2〜4Rにはジャブと左強打で西田の顔面を的確に捉えました。5Rには左ストレートが効果を発揮、6Rには右フックも成功し、西田の右まぶたが大きく腫れ上がり、肩にもダメージが蓄積されました。そして、7回開始直前、西田の右肩脱臼により試合はストップ。中谷がTKO勝ちで統一王者となりました。
リング上では、西田に感謝を述べ、「1ラウンド目から攻める戦略で楽しんでもらえたと思う」と振り返りました。さらに、試合を観戦していた世界スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(32=大橋)に向け、「もうすぐ行くので待っていてください」と宣戦布告しました。
統一戦に向けては、1カ月間ロサンゼルス合宿で約260ラウンドのスパーリングを消化。防御とスタミナ強化を徹底し話題となっており、英国ブランド「BOXRAW」製リングシューズの初使用など、戦略的準備も万全だったといいます。また、アメリカ老舗雑誌「The Ring」誌のバンタム級認定ベルトも獲得し、階級“最強”の実証となりました。
今後はスーパーバンタム級へ階級アップの下地も整い、来年5月に想定される井上尚弥選手とのドリームマッチへ向け、順風満帆な情勢となっています。
中谷潤人の主な戦績(一部抜粋・2025年6月現在)
以下、プロ31戦・31勝(うちKO/TKO24)無敗。世界タイトルを含む主な勝利歴です:
戦績 | 日付 | 対戦相手 | 結果 | タイトル |
---|---|---|---|---|
2025.6.8 | 西田凌佑 | RTD/6R | WBC・IBF王座統一 | 統一王者 |
2025.2.24 | David Cuellar Contreras | KO/3R | WBC防衛3 | WBC王座防衛 |
2024.10.14 | Petch Sor Chitpattana | TKO/6R | 防衛2 | |
2024.7.20 | Vincent Astrolabio | KO/1R | 初防衛 | |
2024.2.24 | Alexandro Santiago | TKO/6R | WBC獲得 | |
2023.9.18 | Argi Cortes | UD/12R | WBO Jrバンタム級防衛 | |
2023.5.20 | Andrew Moloney | KO/12R | WBO Jrバンタム級獲得 | |
2022.11.1 | Francisco Rodríguez Jr. | 判定/10R | WBOフライ級防衛 | |
2022.4.9 | Ryota Yamauchi | TKO/8R | 防衛2 | |
2021.9.10 | Ángel Acosta | TKO/4R | 防衛1 | |
2020.11.6 | Giemel Magramo | TKO/8R | WBOフライ級獲得 | |
2019.10.5 | Milan Melindo | TKO/6R | 非王座戦 | |
2015.4.26 | Junichi Itoga | TKO/1R | プロデビュー |
無敗街道を突き進む中谷は、WBOフライ級 → WBOスーパーフライ級 → WBC/WBO/IBFバンタム級と三階級制覇を達成し、名実ともに“日本最強”の一角に。その攻防と階級アップは、今後の格闘技界における最大注目テーマです。