2025年7月27日(米国時間)、日本人初の野球殿堂入りを果たしたイチロー氏(51)が、ニューヨーク州クーパーズタウンで行われた式典で約19分の英語スピーチを行いました。日本人として初の米国殿堂入りであり、390以上の票を得ながらも1票差で完全な満票には届かなかったことにも触れつつ(393/394票)。その点をユーモラスに皮肉りながらも感謝を述べ、聴衆を沸かせました。
まず「また新人になった気分」と語り、高校時代・日本プロ・メジャーと三度人生で“ルーキー”を経験したと自嘲混じりに振り返り、「もうフーターズの衣装は必要ない」と笑いを誘いました。さらに、プロとしての覚悟、準備の重要性、責任感を強調し、妻・弓子さんへの深い感謝とともに、野茂英雄氏ら先駆者への尊敬の念も語りました。
特に印象的だったのは、「記録で評価されるが、野球がなければみんな僕のことをこう言うだろう。『こいつ、ただのバカだな』」という発言。野球がなければ自分は無名で滑稽な存在にすぎない──その謙遜と自虐が響きました。


マイアミ・マーリンズ在籍時には「入団当時マーリンズの名前すら知らなかった」と語り、観客から大喝采を浴びるジョークも飛び出しました。さらにヤンキース時代の同僚たちが来場していたことに「彼らはCC・サバシアのために来たのだろう」と軽妙に冗談を飛ばす場面もあり、聴衆の笑顔を誘いました。
スピーチ全体を通じて、英語で流暢かつ意図的にユーモアを交えた構成。日本語より英語で話すことを選んだ理由として「アメリカのファンにより理解してほしかった」と述べ、表現力と真摯さが称賛されました。
スピーチ動画
イチローの生涯成績
- NPB(オリックス・ブルーウェーブ 1992–2000)
- 通算打率:.353/安打数:1,278/本塁打:118/打点:529/盗塁:199
- MLB(シアトル・マリナーズ、NYヤンキース、マイアミ・マーリンズほか 2001–2019)
- 通算打率:.311/安打数:3,089/本塁打:117/打点:780/盗塁:509
- プロ通算安打(日本+MLB):4,367安打(歴代最多)
- 主なタイトル・記録:
- MLB ※最も注目すべき記録:2004年MLB年間最多安打(262安打)、10年連続200安打、10回ゴールドグラブ受賞、MVP&新人王同時受賞(2001年)、MLBオールスター初選出など多数


