元プロ野球選手で現・コメンテーターの古田敦也さんが、最近のインタビューで“バイブル”と呼ぶ野球漫画を明かし、話題を呼んでいます。古田さんは「主人公の真似も『僕だけじゃないと思います』」と振り返り、小学生の頃にその漫画の主人公の動きを模倣した経験が、野球人生の原点だったことを語りました。
古田氏の「人生を決定づけた野球漫画ベスト3」は3位がちばあきお氏の「キャプテン」、2位があだち充氏の「タッチ」、1位が水島新司氏の「ドカベン」と発表し共感したファンも多いようです。「僕だけじゃないと思います」という表現からも、同じように感じた野球少年が世代を問わずに多かったことが伝わってきます。
古田さんの発言は、“憧れの人物や物語から体で覚えた経験”が、その後の人生やキャリアに大きく作用することを、改めて教えてくれます。多くの人が、自分だけの“バイブル”を胸に、小さな真似から始まる学びや成長を経験してきた――その原点には、漫画や物語の力があったのかもしれません。
水島新司氏の『ドカベン』とは?
- 概要
『ドカベン』は、水島新司氏による代表的な野球漫画。1972年から1981年に『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載され、全48巻に及びました。登場人物たちのドラマ性豊かな描写やリアルな野球描写で、当時の少年たちに絶大な人気を誇りました。累計発行部数は驚異の4,800万部に達しています。 - 内容と魅力
主人公・山田太郎(通称“ドカベン”)を中心に、高校野球界での熱戦と友情・成長が描かれます。岩鬼正美、殿馬一人、里中智ら個性豊かなキャラクターたちとの掛け合いやドラマが、作品の大きな魅力です。リアルな配球の読みや戦術描写といった、従来の“必殺技”一辺倒ではない戦略性も、高評価を受けました。 - 作者の生涯
水島新司氏は2020年12月に63年の漫画家生活に区切りをつけ引退。翌2022年1月10日、肺炎のため82歳で逝去されました。長年にわたり、多くの野球少年や漫画界に影響を与え続けた功績は今も語り継がれています。




